映画鑑賞会

サークルでやっている映画鑑賞会の感想アーカイブです。

最強の二人

ロードジャスティ

二人の人物が巨大な社会階級の隔たりを超えて親しくなるという話は他にもわりとあるだろうが、堅苦しい上流階級に対して下流にも人情味がある、みたいな安直な平等性を描いていないところに好感が持てる。ドリスの底辺の生活はしっかり悲惨で、その彼が上流階級に乱入して生活を破壊しかねない恐怖も描いていてリアリティを感じる。フィリップがドリスの何に惹かれたのかというと、自分の社会的地位におもねり身体障碍者として子守でもするように自分を扱う人々に対して、彼だけは裏表のない正直な思いで接してくるからだろう。とはいえドリスの言動は少々度が過ぎていて、普通に法を犯しているし、一部の発言もジョークの域を超えていて障碍者差別とみなせるレベルに思える。個人的にはこの点に若干の嫌悪感を抱いたが、はじめから一貫してフィリップがドリスを否定しないのは、やはりドリスの言動に何らかの妥当性を見出しているためだろう。それが何かははっきり描かれていないが、ドリスに影響されただけでもなさそう。フィリップは上流の文化を絶対視こそしていないものの、価値を認めていることは確かだ。むしろ彼は激しい階層分化や障碍者に対するポリコレ的「配慮」によって個々人に既定の振舞いと生き方を迫る社会そのものに退屈していたのではないか(いつもの結論)。

ニンチー

初めてのフランス映画。 全体的に間に余裕があり、音楽によって感情の盛り上がりが表現されていて感情を想像する余白があるところが印象的だった。 決して陽気な黒人が堅苦しいフランス上流階級の老人をいやすという一方的な分かりやすい関係ではなく、お互いの抱える問題や欲望をぶつけた双方向の関係につくりものでないリアルを感じた。 序盤の悲壮感漂う曲調からセプテンバーに変わるシーンが二人の人種や社会階層にとらわれないあけっぴろげな性格が感じ取れてよい。

よいこ

ドリスの若さややんちゃな部分をフィリップが受け取り、若さを取り戻した。 恋やいろんな面で。 パラグライダーはフィリップのやんちゃな趣味。

ザリガニ

洋画に登場する面白黒人枠の男が陰キャ車いすのおっちゃんを連れまわして二人でたくましくなっていくロードムービー。 音楽がおしゃれだった。