映画鑑賞会

サークルでやっている映画鑑賞会の感想アーカイブです。

少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド

ニンチー 6点/10 物語1、主題0、演出2、映像2、音楽1

演劇をテーマにした挑戦的なオリジナルテレビアニメシリーズの総集編劇場版作品である。 演劇学校の九人の少女に焦点を当て、百合百合しい日常を過ごしたり、ミュージカルのように歌いながら戦ったりするアニメ。 総集編であるためかアクションシーンに優先的に尺を割いており、ずっと謎空間で戦っている印象であったが、戦闘のアニメーション的な面白さは抜群で飽きることなく楽しめた。 幾原邦彦的な演出も多く背景美術や記号、モチーフなどちりばめられた要素を追っていくだけでも考察しがいのあるアニメだと思う。 反面日常パートが短めで各キャラの掘り下げは比較的に薄い。 中心的に描かれているカレンとヒカリの性格はややテンプレ気味であったこともあり、全体的にキャラクターに魅力を感じづらかった。 また、完全に個人的な見解だが、トップスタアへの憧れや夢への努力といった概念に疎くあまり共感できなかったことも一因ではある。

演劇をテーマにしていることもあり、「スタアライト」という作中劇を中心に話が展開していき、主人公コンビの関係と重なる演出は見事だった。 夢を追い続けることの代償という負の側面も見せている公平性も重層性を生み出していたように思う。 各キャラの関係性はかなり考えて作られていたようで、実力は及ばないが夢に向かうことを恐れないジュンナに対し失敗を恐れ過去に囚われたナナなどカップリング単位で対比的な関係を描いていた。 逆に言えばカップリング以外の会話などはあまりなく、関係性はよくわからない。